
土用の丑の日にはうなぎを食べるというのは、クリスマスにケーキを食べるのと同じように日本に広がっている文化です。
けれどもうなぎの値段は高騰していて、手がなかなかのびません。
某所のスーパーマーケットのうなぎですら、鹿児島産が1尾1980円、中国産は1尾1180円程度でした。
家族が多いと、中国産でも高すぎて、ためらってしまうような値段です。
これは、うなぎの養殖事情によります。
うなぎは、しらすうなぎという稚魚を仕入れて養殖するものなのですが、このしらすうなぎは川などから採ってくる必要があります。
現在、しらすうなぎは激減しており、多かった時の10%を切る量になっているんです。
また、うなぎは病気に弱く、手間も飼育代もかかります。
そういった様々な要因で、5年前に比べると、うなぎの仕入れ値は倍近くなっているらしいです。
うなぎの完全養殖(しらすうなぎの生産も行うこと)は成功しているのですが、コストに壁があり、実用化まで10年くらいはかかってしまうらしいです。
厳しいですね~。
うなぎの代用、まずはアナゴ、その値段は?
こんな中、スーパーマーケットのウナギの売り場の近くにあなごが売られているのを目にしたことはありますか?
うなぎ
アナゴ
うなぎも、あなごも、どちらもうなぎ目の魚です。
うなぎは淡水域に生息し、成長した親は産卵のため海にいきます。対して、あなごは海に生息しています。
2種の魚の大きな違いは、
・ あなごの脂量はうなぎの約半分
・ うなぎはあなごと比べてビタミンAが5倍多い
という点です。
とはいえ、味は似通っています。
スーパーマーケットでお値段を確認してみると、うなぎは1尾1180円、同じくらいの大きさのアナゴは379円でした。
うなぎが高くて買えないよ、という場合、あなごで代用するとよさそうです。
土用の丑の日の趣旨からは、ちょっと外れますけどね(汗)
※ 土用の丑の日は、本来「う」がつくものを食べる、という文化です。
うなぎの代わりに・・・ナマズ!?
さらに最近はナマズをうなぎの代用にしようと考えている人達もいます。
日本では、以前はナマズもウナギ同様に食べられていました(!)が、次第にうなぎばかりが食べられるようになり、ナマズは店頭から姿を消してしまいました。
けれども、ナマズは日本以外の世界では大変ポピュラーで、アジアの養殖魚生産量145万トン中30万トンを占めています。
東南アジアに旅行される方なんかは、レストランで「キャットフィッシュ」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。
近畿大学(近大マグロで有名)では「うなぎ風味のナマズ」作りの調査、研究が4年前から始められています。
昨年は鹿児島の大隅半島の業者の協力により、餌などの養殖技術の工夫で、うなぎ並みに美味しいナマズが育てられているということです。
まだ、スーパーなどの店頭にナマズは並んでいませんが、いずれ近大マグロと同様に店頭に並ぶ日が来るとよいですね。
そして、日本の食卓に、ナマズも選択のひとつとなる日も来るかもしれません。